コルクとは

コルクガシ


コルクは樫の木(コルクガシ)の樹皮です。コルクガシは樹齢が長く、自己再生が可能な木です。樹齢25年にまで成熟すると最初のコルクが収穫できるようになります。最初のコルクはヴァージンコルクと呼ばれ、2回目はセコンダリアコルクと呼ばれます。これらのコルクはワイン栓に使える品質ではありませんが、樹齢43年以上になるとアマディア(Amadia)と呼ばれるようになり、高品質コルクが収穫できるようになります。収穫を重ねるごとに、滑らかな質感へと変化していきます。成熟したコルクは、ハニカム構造の細組織から構成され、主にサブリンとリグニンがその主成分を占めるようになります。その他に、多糖、セロイド、タンニンなどの成分も含みます。1立方センチメートルのコルクにはおよそ4000万の細胞が含まれ、ワイン栓に換算するとおよそ8億に値するほどです。

収穫

コルクの収穫


コルクは、コルクガシの樹皮を剝ぎ取って収穫されます。熟練のプロが専用の刃物で収穫区分ごとに切り込みを入れ、バールのような長い柄のくさびを使って剥ぎ取っていきます。収穫は幹を傷つけることなく樹皮を剥ぎ取ることのできる5月から8月の成長期に行われます。コルクガシの平均樹齢は200年で、9年から12年の周期で約16回にわたって樹皮が収穫されます。コルクガシの森林からは、毎年約34万トンのコルクが収穫されています。

コルクガシの森林

コルクガシの森林 モンタード


モンタード(Montado)と呼ばれるスペイン南部と中央部、およびポルトガル南部におよぶコルクガシの森林は、西地中海盆地の220万ヘクタールにもおよびます。コルクガシはこの地方を代表する木の一つで、コルクはこの森林が有する多面的機能を代表する産物の一つでもあります。モンタードには、スペインオオヤマネコやカタシロワシ、バーバリースタッグと呼ばれる鹿など様々な野生動物が生息する豊かな自然景観が広がっています。コルクガシの森林は、土壌保全・水質浄化といった価値のある環境保護機能をもたらし、気候変動や砂漠化を和らげる役割を果たしています。コルクガシの森林は毎年1400万トンの二酸化炭素を蓄積し、気候変動の主な原因となっている温室効果ガスの排出を減らすことにも貢献しています。また、驚くことにコルクガシは収穫後の再生過程において温室効果ガスを吸収する能力があり、平均で5倍の二酸化炭素を吸収することで知られています。また、炭酸ガスを蓄積する能力は、加工されたコルク製品に保持されつづけ二酸化炭素を吸収する機能が持続します。

 ポルトガル

世界におけるコルクガシの森林は34%がポルトガルにあり、ポルトガルは世界で最も大きなコルク生産国そして、コルク生産世界シェアの約50%を有しています。国木に指定されているコルクガシは国有林の23%を占めます。また、ポルトガルはコルクを輸出しているだけでなく(世界におけるコルク輸出は約65%)、スペインからの輸入を行っています。また、ポルトガルの森林産業におけるコルクの輸出は全体の30%、全輸出の2%となっています。

コルクの特長